令和6年1月12日更新
1 「いじめ」の問題に対する基本的な考え方
いじめは、いじめを受けた児童の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成と人権に、重大な影響を与えるのみならず、不登校や自殺などを引き起こす背景ともなる深刻な問題である。また、いじめは、いつでも、どこからでも、どの児童にでも起こり得るものであり、どの児童も被害者と加害者の両方になり得るという危険性をはらんでいる。
こうした事実をふまえ、本校では、いじめの問題は、学校が一丸となって組織的に取り組むことを第一義とし、家庭、地域、及び関係機関等の協力を得ながら、地域総がかりで対峙することが必要である。また、いじめの問題の解決には、児童にいじめを絶対に許さないという意識と態度を育てることが大切である。
本校は、学校教育目標に掲げる「明るく心豊かな子」を育むことにより、いじめを生まない環境を築くとともに、すべての児童が生き生きとした学校生活を送ることができるよう教育活動を推進する。そのために、校長のリーダーシップのもと、全教職員がいじめの問題に対する感性を高め、情報共有と連携を図り、組織的にいじめの未然防止、早期発見・早期対応に取り組んでいく。
2 「いじめ」の定義
「いじめ」とは,本校の児童に対して,本校に在籍している等、一定の人的関係のある他の児童等が行う,心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって,いじめを受けた児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
学校では、いじめを訴えてきた児童の立場に立ち、「いじめ」の定義に関わらず、その訴えを真摯に受け止め、積極的に認知し、児童を守るという立場に立って事実関係を確かめ、対応にあたる。
3「いじめ」の未然防止のための取組
≪児童に対して≫
○児童一人一人が認められ、お互いを大切にし合い、学級の一員として自覚できるような学級づくりに努める。また、学校・学級のルールを守るといった規範意識の醸成に努める。
○児童一人ひとりが「わかる授業」の実践に努め、児童に基礎・基本の定着を図るとともに学習に対する達成感や成就感を持たせる指導に努める。
○思いやりの心や児童一人一人がかけがえのない存在であるという命の大切さを道徳や学級指導を通して育むことに努める。
○「いじめは決して許されない」という認識を児童一人一人が持つように、学校の様々な活動の中で指導に努める。
○見て見ないふりをすることは「いじめ」をしていることにつながること、「いじめ」を見たら先生や友達、家族にでも知らせ、やめさせるための行動が大切であることの指導をする。その際、知らせることは決して悪いことではないことを合わせて指導する。
〇児童生徒による取り組みの推進として、児童会活動を中心にして、「滝沢市いじめ防止等対策リーフレット」を活用するなどし、児童が自主的にいじめ問題について考え、議論する取り組みを推進する。
≪教職員は≫
❍児童一人一人が、自分の居場所を感じられるような学級経営に努め、児童との信頼関係を深める。
❍児童が自己実現を図れるように、児童が主役の「わかる授業」の実践を日々行う。
❍児童の思いやりの心や命の大切さに対する認識を育む道徳教育や学級指導の充実を図る。
❍教職員は、「いじめを決して許さない」という姿勢を持っていることを、様々な活動を通して児童に示していく。
❍教職員相互の日常的な情報交換を密にし、児童一人一人の小さな変化にも気づく、鋭敏な感覚を持つように努める。
❍いつでも、児童や保護者からの話は、親身になって聞く姿勢を持つ。
❍「いじめ」の構造やいじめ問題の対処等「いじめ問題」についての理解を深めるよう研修の機会を設定し、自己の人権感覚を磨き、自己の言動を振り返るようにする。
❍問題を一人で抱え込まないで、管理職への報告や同僚への協力を求める意識を持つ。
≪学校全体として≫
〇『「正義」と「信頼」の学校』を目指し、全教育活動を通して、「いじめは絶対に許されない」という土壌をつくる。
〇毎月11日を「安心・安全・心の日」と設定し、全児童・全職員で再認識する機会とする。
〇QUアンケート(6月)・心と体の健康観察(9月)・滝沢市いじめアンケート等の検査・調査と、「学校生活アンケート」を(7月・12月・2月)実施し、その結果から児童の様子の変化などを教職員全体で共有する。
〇いじめ問題に関する校内研修を行い、「いじめ」について本校教職員の理解と実践力を高める。
〇校長が、「いじめ」に関する講話を全校朝会等で行い、学校として「いじめは絶対に許されない」ことと、「いじめ」に気付いた時には、すぐに担任をはじめ周りの大人に知らせることの大切さを児童に伝える。
〇いつでも、どこでも、誰にでも相談できる校内体制の充実を図る。(学期に一度児童との面談を実施)
〇ネット上のいじめ発生を防ぐため、児童が主体的に考える機会を設定し、正しく利用しようとする態度の育成を図る。また、教育振興運動やジュニアリーダーズセミナーを通して、児童によるスマートフォンの利用ルールづくりの活動等を広げていく。(家庭の協力や教育振興協議会やPTAとの連携を図る)
ア 「ちょボラ(ちょこっとボランティア)」の取組
イ 人権の花運動への取組
ウ 縦割り活動の取組
エ 全校一斉遊びの取組
オ 地域行事への参加
カ 災害地域等への支援活動 等
≪保護者・地域の方々へ≫
〇児童の様子で『あれ、変だぞ(おかしいな)!』という小さな変化に気づいたら、学校に連絡・相談していただく。
〇「いじめ問題」の解決には学校・家庭・地域の連携を深めることが大切であることを、PTAの諸会合や校報、学校評議員会等で伝え、「滝沢市いじめ防止等対策リーフレット」を活用するなどし、理解と協力をお願いする。
○学校のいじめ防止基本方針を、ホームページや学校通信、リーフレットに掲載するなどして普及、及び啓発を図る。
〇授業参観において、保護者や地域住民に道徳や特別活動等の授業を公開したり、外部講師として協力をいただいたりしながら連携を強める。
〇保護者・地域の方を対象とした情報モラル研修会を開き、インターネットを使ったいじめを防止できるように情報機器の利用について考える機会を設定する。
4 いじめの防止等の対策のための組織
〇本校は、いじめの防止等を実効的に行うため、次の機能を担う「いじめ問題対策委員会」を設置する。
「滝二小 いじめ問題対策委員会」 (1)構成員校長、副校長、主幹教諭、教務主任、生徒指導主事、学年主任、学級担任、養護教諭、特別支援コーディネーター、スクールカウンセラー(SC)等 (必要に応じて、PTA役員、教育委員会 学校評議員、学校医、保健福祉・警察関係者 等) (2)取組内容 ①いじめ防止基本方針の策定、年間指導計画の作成(道徳教育の全体計画への位置づけ) ②いじめにかかわる研修会の企画立案 ③未然防止、早期発見の取組 ④アンケート及び教育相談の実施と結果報告(各学級・学年の状況報告等) ⑤いじめ防止にかかわる児童生徒の主体的な活動の推進 (3)開催時期6月、11月、2月を定例会とし、状況に応じて随時開催とする。 |
5 「いじめ」の早期発見・早期対応について
<早期発見に向けて・・・「変化に気づく」>
〇児童の様子を、担任をはじめ全ての教職員で見守り、気づいたことを共有する場を設ける。
〇様子に変化が感じられる児童には、教師が迅速に積極的に声をかけ、安心感を持たせる等に努める。
〇アンケート調査等を活用し、児童の人間関係や学校生活等の悩みや不安等の把握に努め、共に解決していこうとする姿勢を示し、児童との信頼関係を深める。
<相談ができる・・・「誰にでも」>
〇いじめに限らず、困ったことや悩んでいることがあれば、誰にでも相談できることや相談することの大切さを児童に伝えていく。
〇いじめられている児童や保護者からの訴えは、親身になって聞き、児童の悩みや苦しさを受け止め、児童を支えいじめから守る姿勢を持って対応することを伝える。
〇いじめられている児童が自信や存在感を感じられるような励ましを行う。
〇いじめに関する相談を受けた教職員は、管理職に報告するとともに「いじめ対策委員会」を通して校内で情報を共有し、組織の一員として対応する。
<早期の解決を図る・・・「傷は小さいうちに」>
〇児童や保護者から相談のあった、あるいは教職員が気づいた「いじめ」について、事実関係を早期に把握する。その際、被害者、加害者の二者関係だけでなく問題を多面的・構造的に捉えるよう努める。
〇事実関係を把握・確認する際には、情報の集約や整理をし、学校として組織的な体制のもとに行う。
〇いじめをしている児童には、「いじめは絶対許さない」という姿勢で臨み、まず、いじめることを止めさせる。
〇いじめることが、どれだけ相手を傷つけ苦しめているのかに気づかせる指導を行う。
〇いじめてしまう気持ちを聞き、その児童の心の安定を図る指導を行う。
〇事実関係を正確に当該保護者に伝え、学校での指導、家庭での対応の仕方について、学校と連携し合っていくことを伝えていく。
〇ネットいじめへの対応
インターネット等を通じて行われるいじめを発見したり、通報を受けたりした場合は、「いじめ対策委員会」で情報を共有するとともに、被害の拡大を避けるため、当該教育委員会と連携し、対応にあたる。
○多様性への配慮
多様性への配慮をするために、児童本人、保護者の意志を尊重できるように適切に対応する。
○SNS等を活用した相談窓口を紹介して対応にあたる。
<具体的な取組計画>
月 | 取組内容 | 月 | 取組内容 |
4 | 授業参観・懇談会 居住地確認 SCとの連携 | 10 | SCとの連携 |
5 | 日常観察 | 11 | いじめアンケート(市) 授業参観 いじめ対策委員会 個別面談 |
6 | いじめアンケート(学校) 個別面談 いじめ対策委員会 | 12 | 期末面談 |
7 | 期末面談 | 1 | |
8 | 2 | いじめアンケート(学校) いじめ対策委員会 個別面談 | |
9 | 3 | 期末面談 |
※SC・・・スクールカウンセラー
6 いじめへの対処
〇いじめの疑いがあったり、いじめの発見や通報を受けたりした際に、担任や特定の教職員が抱え込むことのないように情報を共有できる体制づくりを構築する。
〇指導にあたっては、校長をリーダーとする「いじめ問題対策委員会」により、指導レベルを判断し、教職員全員で共通理解し、保護者や関係機関との連携の下で組織的に取り組む。
〈指導レベル〉
A:子ども同士で解決が見込まれ、教師が見守る姿勢で対処するレベル
B:教師が介入し、当事者への指導によって解決が図られるレベル
C:教師の指導後にも十分な配慮を要し、さらに継続的な介入、指導が求められるレベル
D:行為が悪質であり、重大事態となりうるレベル
※指導レベルC・Dの事案は速やかに市教委へ報告
7 重大事態への対処
〇校長が重大事態と判断した場合、直ちに、滝沢市教育委員会に報告するとともに、校長がリーダーシップを発揮し、学校が主体になって「いじめ問題対策委員会」で調査し、事態の解決にあたる。その際、必要に応じてPTA役員(会長、副会長)、学校評議員 等を加える。
〇調査結果は教育委員会に報告するとともに、調査によって明らかとなった事実関係について、いじめを受けた児童及びその保護者に対し、経過報告を含め適時・適切な方法で情報提供する。
〇いじめを受けた児童及びその保護者の意向を尊重したうえで、保護者説明会等により、適時・適切にすべての保護者に説明するとともに、解決に向けて協力を依頼する。
〇「いじめ問題対策委員会」で再発防止策をまとめ、学校を上げて全力で取り組む。
〇対応については、被害児童を守り通すとともに、加害児童に対しては、当該児童の人格の成長を旨とする教育的配慮の下、毅然とした態度で指導する。また、いじめを安易に「解消した」とせず、日常的に注意深く観察し、継続的な指導を行う必要がある。
なお、事案によっては、滝沢市(岩手県)教育委員会が設置する重大事態調査のための組織に協力し、事態解決に向けて対応する。また、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署に通報し、警察と連携した対応をとる。
8 学校の取組に対する検証・見直し
〇学校いじめ防止基本方針をはじめとするいじめ防止の取組については、PDCAサイクルで見直し、実効性のある取組となるように努める。
〇いじめの把握及びいじめに対する対応を適切に行うため、次の2点を学校評価の項目に加える。
・いじめの未然防止に関わる取り組みに関すること。
・いじめの早期発見に関わる取り組みに関すること。
9 いじめ防止の校内体制チャート
令和6年度PTAガイドブックP.19−24より