「役が人をつくる(育てる)」という言葉があります。意味は、「役につくと、その人は次第にその役に合った行動をとるようになり、役に見合った人間に育つ」という意味です。今回の陸上記録会では、「行事が人をつくる(育てる)」のだと思いました。5・6年生は、「陸上記録会という行事」によって「選手」として、「補助員」として「マネージャー」として、「応援リーダー」として・・・、様々な「役」がありました。選手以外は「誰かのため」に力を尽くすことが「役」でした。選手が気持ちよく記録会に臨むために力を尽くしました。選手は「自分のため」に力を尽くすけれど、そこには仲間の思いが支えになっていたので、間接的には「誰かのために」に力を尽くす「役」があったと思います。それぞれの思いをしっかりと伝えることができた行事でした。この行事を終えた後の5・6年生の表情がとってもいいです。努力してきたことに対する成果に自分で納得することができたから、「自信」につながっているのだと思います。

 ただ、「記録」や「順位」といった相対的な評価と同様に、取組に対しての「範となる姿勢」や「みんなを励まし鼓舞する言動」も評価していくことも忘れてはならないと思っています。自らの言動が、集団を高める力になることを実感した人がたくさんいます。このような集団への「貢献度」「影響力」こそ、これから先に生きて働く財産になります。陸上記録会の報告会の後、自信に満ち溢れた表情の人が増えました。「順位」や「記録」は一生を左右するほどの力はありませんが、集団で高め合った取組で得られた「自信」は、これからの人生に大きな影響を与えるものと思います。陸上記録会に向けて精一杯の思いで取り組んだ高学年の成長が頼もしいです。

令和6年7月3日 校報第3号より