校長のひとりごと15

 最近読んだ本の中に、「大きく伸びるのは“いい子”よりも“対処能力がある子”」という見出しがありました。アドラー博士が教える「失敗に負けない子」に育てる本(青春出版 著者 星一郎)という本の序章の見出しでした。抜粋すると・・・

 失敗に弱い子どもが確かに増えています。小さい頃は親がガードしているからいいのですが、問題が表面化するのは、たいていの場合思春期や成人後です。・・・中略

 失敗すれば、確かに傷つきます。ほんの幼い子どもだって、何かが上手くいかなければ悲しい思いをしたりがっかりしたりするのです。けれど小さいころから上手に失敗を体験することで、子どもは対処能力を育てることができます。対処能力とは、困難を切り抜けるためのいくつかの方法を考え出すことができ、どうするかを自分で決断し、それを実行に移して、結果に責任を持つ、という能力です。成績がいいとか、問題を起こさずいい子でいるかどうか・・・といったことより、この対処能力があるかどうかが、これからの社会を生きていく上でのポイントなのです。・・・中略

 失敗を体験しない子どもは、たとえ「いい子」だとしても、ただのマニュアル人間になってしまいます。指示通りにしか行動ができず、応用が利かずに、いざ困難な事態に直面すると途方に暮れるタイプです・・・中略

失敗は、「この方法だとまずいかな」ということや、「別の方法があるかもしれないよ」ということを、身をもって教えてくれる貴重なチャンスなのだから・・・。  この本を読みながら、娘が聞いていたアイドルの曲の歌詞に「転ぶ前に 初めから手を差し伸べられたら いつまでも強くなれない・・・」という部分があって、妙に納得していたことを思い出しました。

令和7年2月28日 校報第13号より