6人のスーパーヒーローのお話(6月の全校朝会より)

 

 今日はみなさんに、とってもいいお話を紹介したいと思います。校長先生は、このお話を聞いて、すごくうれしくなったし、なんだか誇らしい気持ちになりました。誇らしいってわかりますか。このことをみんなに自慢したくなるほどうれしい気持ちです。

 お話の中身はというと、6人のスーパーヒーローたちのお話です。5月25日のことでした。夕方5時ころ、遊んでいた6人がそろそろ帰ろうかと話しているところで、電話しながら焦ったようにキョロキョロ周りを探している女の人を見かけました。「大丈夫ですか?何かありましたか?」と声をかけました。すると、「2歳くらいの子を見なかった?」と聞かれ、さっき見かけたことを伝えると、「どこに行ったか分かる?」と心配そうに尋ねられました。迷子になったその子のお母さんが必死になって探しているところだってわかりました。すぐに6人はあたりを探し始めました。でも見つかりません。その途中で、会った近所の人にも「小さい子を見かけませんでしたか?」と声をかけながら探したそうです。でも、すぐには見つかりません。

 その中の一人がひらめきました。「一緒によく行く場所はどこですか?」と聞いてみると、「ローソン」と答えたそうです。「そこだ!」とひらめいたみんなは、ローソンの駐車場にいってみました。すると、見つけました。2歳くらいの子が、駐車場のところに一人ぽつんと座っていました。そのことをお母さんに知らせると、走って駆け寄り、抱き寄せました。本当にほっとして安心した表情をしていたそうです。よかったですね。校長先生も自分の娘が2歳くらいの時のことを想像してみました。事故にあってたらどうしようとか、誰かに連れていかれたんじゃないかとか、心配で心配でたまらなかったんじゃないかなと思いました。そんなときに声をかけてくれて、一緒に探してくれて、そして見つけてくれた6人のことをどう思ったでしょう。みなさんだったらどう思いますか?きっとスーパーヒーローのように思ったと思います。いいお話でしょう。

お礼を言われ、その親子と別れると、6人は、いい気持ちになりました。こんな風に思ったそうです。「見つかってよかった。安心した。」「人の助けになってとてもうれしかった。もっと人を助けたい。」「ちょっと人に自慢できることをしたなあ。」・・・。

 この話を聞いて、校長先生も本当にうれしい気持ちでいっぱいになりました。自分がしたことではないのに、誰かに自慢したくなりました。「滝二小ってこんなにいい人がいるんだ。すごいでしょう。いい学校でしょう。」って。みなさんもそう思いませんか?自分の家族や友達の中にすごい人がいたら、いい気分でしょう。学級や学校だって同じです。

 こんな素晴らしい行いをした本人たちも、もちろんうれしかったと思うし、見つけてもらった親子も本当にうれしかったと思うけれど、実は、それだけでなく、周りにいる人、関わりのある人みんながいい気持ちになるのです。幸せな気持ちのおすそ分けですね。

さあ、それでは最後にこのお話の主人公、6人のヒーローを紹介します。名前を呼ばれたら、その場に立ってくださいね。(名前略)みなさんで、大きな拍手をおくりましょう。

 このことで大きな価値があるのは、ご褒美のためでなく、誰かに褒めてもらうためでもなく、心の中にある困っている人を助けたいという優しさ、思いやり、そして正しいことを大切にする気持ちで行動したということです。大切なことは、人を大切にする気持ちです。自分だけが楽しければいい、幸せならばいいのではなく、周りの人もみんなが幸せな気持ちになれること、それが巡り巡って自分も幸せな気持ちになれるということを学ばせてもらいました。 

R5.07.21 滝沢市立滝沢第二小学校 校報No.3より